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【コロナ】仙台でも「うがい薬」イソジンが売り切れ続出!勘違いしているから気をつけて!

新型コロナウイルス
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200804/2000033223.html
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記事内に広告が含まれています。

大阪の吉村府知事が会見で発言したポピドンヨードを含むうがい薬で新型コロナが重症化しないかも?ということで、仙台の薬局からもイソジンが消えました・・・

みなさん、イソジンが新型コロナ感染を防ぐと勘違いして購入していませんか?

現在様々な方面から反対意見が出ていたりと大変な様子の吉村知事ですが、基本的なことがわかっていれば発言の意図が違うということがわかります。

あ〜あ、勘違いというところですね。

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吉村知事のポピドンヨード発言の意味は?

吉村知事が、「うがい薬でうがいをすることにより、新型コロナウイルスの重症化を防ぐ可能性がある」と発表しました。

大阪府が医療機関と行った研究によると、宿泊療養中の軽症者41人のうち、1日4回ポビドンヨードの入ったうがい薬でうがいをした人が、うがいをしていない人よりウイルス量が減ったということです。

研究を行った大阪はびきの医療センターの松山センター長によると、新型コロナウイルスは唾液の中に多く含まれるのが特徴で、唾液が発生する舌の周りを殺菌することが効果的だとみられています。

【大阪はびきの医療センター・松山晃文次世代創薬創生センター長】
「4ミリリットルのポピドンヨード液を60ミリリットルの水で薄めます。下に向いて、ぷくぷくして、舌の周りにポビドンの液を塗りたくるように。ペッと吐いたあとは2回目(上を向き)ガラガラガラガラ、ペッと」

ただ、この研究は軽症者が対象だということです。

https://www.ktv.jp/news/articles/bd7b686e_5e15_4497_bd2c_dfceb08ddec7.html

 

これが勘違いでした。

このとき示された研究のデータは、唾液中に含まれる新型コロナウイルスの量」について調べたものでした。

この記事にも「ウイルス量が減った」としか書かれていませんが、会見で提示されたグラフにはしっかりと「唾液中のウイルス量」と表示されていました。

これまでの研究からも、感染者の喉の粘膜よりも唾液中のほうが、最大で約5倍も多くの新型コロナウイルスが含まれていることが分かっています。

そのウイルスをイソジンで殺菌すれば重症化を防げるということを言いたいようですが・・・

 

松山センター長も会見では、

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200804/2000033223.html

「唾液中のウイルスを減らすことで人にうつしにくい、肺炎による重症化を抑制しやすいのではないか

という発言により、より一層の混乱が起きたようです。

「ないか」ですので、現在のところ確証は無いということですよね。

そこが肺炎による重症化を抑制すると確定的に捉えられてしまったようです。

 

あくまで口の中・唾液中のウイルス量を一時的に減らすだけ

実はこのポピドンヨードの効果は、口中・唾液中に含まれる新型コロナウイルスの量を一時的に減らすだけの効果です。

ポピドンヨードはかなり強い殺菌消毒効果があります。

手術をする時に切開をする部分の皮膚をこのポピドンヨードで消毒します。
これは雑菌やウイルスが傷口から入ってしまって感染症を引き起こしたり、傷口が化膿するのを防ぐためです。

また献血に行ったことがある人は経験済みでしょうが、針を指す前に茶色い液体のついた脱脂綿で刺すところを消毒されると思います。あれがポピドンヨードです。

 

イソジンなどのうがい薬もこの強力な殺菌消毒効果のあるポピドンヨードを利用して喉や口中の殺菌消毒をします。

ですがこの効果が及ぶのは粘膜の表面だけです。

細胞内に入り込んだウイルスに対しては効果がありません!

ですから、私はそれほど効果があるとは思えないのです。

イソジンうがいは効果がない?

TumisuによるPixabayからの画像

そもそもWHOも現在のところ新型コロナ感染症の予防にうがいは効果が無いという立場です。

 

昔は、風邪の予防に

手洗い・うがい・マスク

と言われていましたよね?

でも、今回の新型コロナウイルス対策では、

  • 手洗い
  • マスク
  • 3密を避ける
  • 首から上を触らない

ということで「うがい」は対策法に入っていません。
なぜでしょうか?

 

もちろんイソジンの強力な殺菌力は新型コロナウイルスも殺菌してくれます。

ですが、うがいが積極的な対策にならないのは・・・

粘膜に付着しているウイルスにしか効果が無いためです!

ウイルスは粘膜に付着すると数分から数十分で細胞内に入り込んでしまいます。
そうしますともう「うがい」ではウイルスを除去できません(細胞内に閉じこもっているから)

ですから「うがい」に効果があるのはウイルスが粘膜に付着してから10〜20分以内ということです。

仮に20分以内にうがいすればウイルスを除去できるとなった場合、20分おきにうがいすることができますか??
正直現実的ではないのです。

ですから「うがい」は新型コロナ対策に含まれないのです。

「イソジンが重症化を予防」に懐疑的なワケ

今回の大阪府での発表は、要約すると

口中・唾液中に含まれる新型コロナウイルスをイソジンで殺菌しよう!

そうすると、感染者の唾液中に含まれる新型コロナウイルスの量が劇的に減ります!

ということを言っています。

 

よく考えると当たり前のことですよね。

 

口の中のウイルス量が減るとどうして肺炎の重症化が防げるかもしれないと言ったのかというと、掲示板やSNSの書き込みを見ているとよく見るのが、

「口の中で新型コロナウイルスが増えると、それが肺に流れ込み肺炎を起こす」

というものです。

このウイルスの経路はまだ判明していません。

ですが・・・

唾液は飲み込んでも食道を通り、胃に到達します。
そこでは強力な酸である胃酸で溶かされますので、コロナウイルスは生きていられません。

確かにつばが変なところに入ってむせることがありますよね?
あれは、食道ではなく気道、つまり肺の方への分かれ道に入るからむせるわけです。
確かに誤嚥性肺炎という間違って気道の方に入ってしまったツバや食べ物などが肺の中にたまり、腐ってしまって肺炎を起こすということはあります。

でも殆どの場合は、むせることにより吐き出されますので、肺の方には行かないのが通常です。

 

そしてそもそも、ウイルス感染症というのは体内(細胞内)でウイルスを増やし、体内で血流などに乗って移動し拡がっていくものです。

体内で十分な量(症状が出るほどの感染)まで増えたウイルスが喉の粘膜や唾液中に溢れてきて、それを咳などで飛ばすことにより、他者へと感染を拡げるのです。

 

例えるならばコップからあふれる水です。

nardb8によるPixabayからの画像

ウイルスを含む水をコップに注いでいき、溢れてこぼれた分の水が「唾液」です。

そのこぼれた水をいくら殺菌したとしても、コップの中の水はウイルスに汚染されたままでしょう?

つまりはそういうことです。

粘膜表面のウイルスを退治するのも良いですが、感染症として考えるとあまり意味がありません。

 

ただこの場合、感染者が他者へとうつす場合、唾液を介して移す場合がほとんどです。

感染者のウイルスを含む唾液が何らかの方法でものに付着し、その部分を第三者が触れて汚染された手指で【目・鼻・口】などの粘膜に触れることにより感染してしまうというのが新型コロナウイルスの感染経路です。

その感染者の唾液を殺菌することで、ウイルスを他者や物へと飛ばさなくなりますので、感染拡大の予防にはなるとは思います。

でも1時間から数時間で唾液中のウイルス量は戻ってしまうとの研究結果もありあまり実用的ではないですね。

歯科医の診察の前とか、お見舞いに行く時のように高リスク群の人に合う前に口中を殺菌消毒しておけば万が一自分が知らずに新型コロナ感染者だったとしても第三者に感染させるリスクは下がります。
そのくらいの効果だったら、歯科医の診察以外はマスクで十分防げます(唾液を飛ばさない)けどね。

 

今回の会見での発言は研究が進んでいない段階での発言でもありますので、フライングだったようですね。

そもそも風邪予防にポピドンヨードは良くない!?

風邪予防に何でうがいをしたらよいかという有名な研究があります。

水だけのうがいは風邪予防に効果がありましたが、ポピドンヨードでうがいをしたグループはうがいをしなかったグループと大差が無かったようです。

 

『風邪を予防するために、どんなうがいをすればいいか』というテーマの研究です。

その研究には、健康な大人387人が参加しました。

そして、1)水でうがいをするグループ、2)ポビドンヨードでうがいをするグループ、3)特にケアをしないグループ(対照群)にランダムにわかれ、その後60日間でどれくらい風邪をひくリスクが変わるかというテーマで検討されました。

すると、水のみでうがいをすると、うがいをしないグループよりも風邪にかかる確率が下がったものの、ポビドンヨードでうがいをするグループは効果が認められなかったのです(※1)。

(※1)American journal of preventive medicine 2005; 29:302-7.

ポビドンヨードは確かに、細菌やウイルスをつよく叩く効果があります。しかし、水のみのうがいのほうがポビドンヨードのうがいよりも有効だったということになったのです。

なぜでしょうか?

ポビドンヨードは強力な殺菌性ゆえに、のどや口の中にもともといる『正常な細菌』をも叩いてしまい、さらには粘膜なども痛めてしまうからと考えられています。強すぎるゆえに『総合的には効果が相殺されてしまう』のですね。

また、一般的に、ポビドンヨードのうがい薬の安全性は高いと考えられますが、長期使用に関しては甲状腺機能を障害する可能性が指摘されています。

そのため、長期に使い続ける場合は定期的な検査が推奨されます(※2)。

(※2)Sato K, et al. Internal Medicine 2007; 46:391-5.

https://news.yahoo.co.jp/byline/horimukaikenta/20200804-00191721/

 

すでにいそじんがの買い占めが起こっており、仙台市内の薬局からも姿を消しています。

また転売ヤーたちが暗躍を始めており、メルカリなどで高額で販売されたりしています。

皆さんは騙されないでくださいね!

 

先程書きました通り、「うがい」で喉や口の粘膜からの感染を防ぐことは現実的に無理です。10〜20分おきにうがいをしないと効果が期待できないわけですから。

それであれば、10〜20分おきに水分を一口分を含むようにして飲み込むことです。
水でもお茶でも良いです。

そうやって口や喉に付着したウイルスを水分と一緒に胃の中にながしこんでやれば、胃酸で殺菌消毒されますので感染をしにくくなりますよ!

 

今後の研究に期待です!

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